光彩～芽依編～

「そろそろみんなも強くなってきた頃かな…？」
クエストを終えた私は一人でそう呟いて、携帯電話のような形の通信機を取り出す。
最近ギルド元宮とトンカってところが共同で開発した新型の通信機だ。
手帳に代わって冒険者はこのキカイを所持する事を義務付けられた。
フレンドリスト閲覧とメールの送受信が出来る優れものなのだ。
「さて…、みにょんさんと雛野にメールを送らないと。」

『みにょんさんと雛野へ
　そろそろみんなも強くなったと思う頃なので、
　みんなで会いませんか？
　集合場所はアクロポリスシティのアップタウンの中央です。
　お返事お待ちしてます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　芽依』
「よし、完璧！」
メールを送って満足した私はクエストの報告に向かった。
クエストの報告に向かっている途中、メールを１通受信した。

『Dear 芽依
　OKっ！今からすぐ行くよ！
　待っててね！！
　　　　　　　　　　　　雛野』
（簡潔すぎる…。）
そう思いながらクエストを報告。
私も集合場所に向かおうとしたときに１通受信。

『芽依へ
　集合場所に到着しました。雛野も居ます。
　待ってます。
　　　　　　　　　　　　　　　　みにょん』
（早っ！）
心の中で突っ込みを入れて、急いであの場所へと向かう。

「お待たせ！」
「芽依！遅いよ！」
「遅いので罰金ですよ。」
「罰金！？」
「冗談です。」
「ほっ…。」

改めて二人を見ると…、
みにょんさんは白いワンピースに白い靴、縞々のオーバーニーを履いている。
雛野は丈のとても短いピンクと灰色のワンピースとピンクの靴、白いオーバーニーを履いている。
「二人とも可愛い服で良いなぁ。」
「そんな事はありませんよ。芽依のだってとても良い鎧じゃないですか。」
「そう…？」
「うんうん、鎧だって個性だよ！」
「そうかなぁ。」
少し考え込んでしまった私。
「…うん、まあいいか。」
とりあえず私達三人はしばらく会わなかった分、色々な話で盛り上がった。